他者とのラポール、自分自身とのラポール

これ、スマイリーはおるか？

スマイリー・・・　いきなりであるが、そちに切腹を申し渡す。

そちが儂を暗殺すると公言しておるそうじゃの？

馬鹿者っ　噂じゃ。
しかも、儂の耳に入れに来た者がおる。

それは讒言した者じゃ。

儂はそちのことがまだ信じられておらぬ。
そちは儂に忠誠を尽くしておるか？

しかし、儂とそちの間にラポールが築けておらぬ。
儂はそう感じておる。

そうじゃ、そちは、儂に思いを寄せて何かしておるか？

役立たずは、当家にはいらぬぞ。
・・・冗談じゃ。

すまぬ。しかし、ラポールは大切だぞ。
歴史を振り返ってみよ。今までどれだけの者が讒言によって命を落としてきた事か。
讒言によって、家臣が謀殺されたり、逆に主人が討たれ、その家も衰退してきた事実を。
全て信頼関係がなかった為じゃ。

当家ではそのような事は、起こってはならぬ。

ところで、ラポールにはこのような他者との関係だけでなく、自分自身とのラポールがあるというのを知っておるか？

やはり、知らぬか？
自分とのラポールとは、今までの自分と、これからの未来を描く自分との関係じゃ。

自分自身の事を思い出してみよ。
今までは、落ちぶれた浪人者であったであろう？
それを抜け出したくて、立身出世を夢見て当家に仕官して参ったのであろう。
それこそが自分自身とのラポールじゃ。
しかし、人と言うのは、変化を危険と捉えるそうじゃ。
つまり、危険と捉えてそのままであれば、今も落ちぶれた浪人であったな。

しかし、未来を描く自分とのラポールが取れ、今があるではないか。

ラポールが取れれば行動するし、成功もする。
しっかりラポールを築くのじゃ。

当然じゃ。儂もニュープロを学び続けておるからの。
そちも学び続ければ、当家一の者になれるぞ。

それは無理じゃ。儂がおるからの。